GOOD AQUARIUM Design Award

2021

一般受賞

グッドアクアリウムデザイン賞2021 受賞

バーサタイラー（versatiler）

有限会社石川酒店 マイクロバブル事業部

プロダクト / 3way プロテインスキマー（淡水海水兼用ろ過装置）

自然の湧水を再現！ 3way マイクロバブル発生装置
（プロテインスキマー兼エアレーションろ過装置）

【作品概要】
3way方式のマイクロバブル発生装置。投込式後付型プロテインスキマーの決定版。Versatile(バーサタイル)とは、回る(wert)を語源とした、多用途・多目的、万能を意味します。多様性の時代を生き抜く、力強さを表現しました。小型軽量でもパワフル、自吸式のためエアーポンプﾟやウッドストーンは一切不要です。詰まりにくい構造で、掃除もラク。従来オーバーフロー方式は、付帯設備が大きく費用が高額ですが、投込式は場所をとらず、既存の設備にそのまま取付け使用が可能です。ろ過能力の大幅改善とメンテナンス維持費の削減に。流体力学に基づく設計により、低コスト、低（省）電力、小型軽量化を実現しています。

【デザインが生まれた理由／背景】
昨今、気泡の微細化（マイクロバブル・ファインバブル）技術が急速な広がりをみせ、水産加工業、農業、美容、食品業界など様々な分野で取り入れられています。その主な内容は、曝気と洗浄、成長促進にあります。SDGsなど環境への配慮が叫ばれる中、より仕事効率の良い、自然界に無理のないシステムを用いた製品の開発が急務です。微細気泡を水中にてコントロールすることで、タンパク質汚れなどを吸着・浮上させ、物理的に回収することで、従来よりも同じ仕事量（電気量）で、効率（ろ過能力）の最大化をはかれます。具体的には、スキマーなどの製品ではろ過能力アップに加え、ウッドストーン不要や水質の維持管理コスト（水替えなど）、メンテナンス費用をかなり抑えられます。次のステップとして大型・量産化を目指すことでトータルコストの削減が可能です。21世紀は水の世紀、限りある資源を大切に、循環型社会を作り出していくことが理想です。

【企画開発者・デザイナーの思い】
１台でろ過からエアレーションまでをまかなえる、後付け投げ込み方式のオーバーフロー製品（淡水海水兼用）は珍しいと思います。もともと、スキマーとエアレーションの原理ををまとめられればということで、気泡を濃縮してタンパク質汚れを取り除くのであれば、同じく微細な気泡を水槽全体にまぶし、汚れを吸着させて物理的にこしとれないかと考えました。加えて、フィルター洗浄などの管理が楽な方が、トータルのコスト（作業量）を減らすことができます。大規模処理場や水族館などのプラントへの設置を検討しており、大量の水を扱えば、大型化運用のメリットが大きいです。風力などの自然エネルギーと組み合わせて動力を確保し、水の浄化には微生物群の力を最大限に引出すことで、分解サイクルの時間短縮にもつながります。壊れた生態系を短時間で元に戻せる可能性もあり、もしかしたら、マイクロプラスチックなどの回収にも効果を発揮するかもしれません。

【審査員コメント】
「アイデアは良いが、少し大きすぎて嵩張るように思う。」舛添要一氏
「実用性は大変よく理解できたが、プロダクトとしての造形、パーツの構成など、さらに検討する余地があると考えられる。」松崎元氏
「資料を読みますと、複合的な機能をコンパクトにまとめていることが伝わってきました。」横溝賢氏
「ややもすると大型になりがちなプロティンスキマーを小型化した点に企業努力を感じる。使用する対象は限定的になると思いますが優れた製品だと感じました。」谷中政之氏
「エアポンプ、ウッドストーン不要なのはシンプルで、水槽内に投げ込むだけというのは手軽に飼育環境を用意できそうです。マイクロバブルのアクアリウムでの可能性を感じさせ、色々試してみたくなります。」松端秀明氏
「投げ込み式でエアレーションとろ過が出来るのは秀逸。詰まり難いとあるがそれがクリア出来ていれば◎酸素過多で内出血しなければ画期的ですね。」川田洋之助氏
「マイクロバブルのアクアリウムへの活用は、二酸化炭素の添加システムとして用いられたこともあるが、プロテインスキマーに使用するというアイデアは面白い。」富澤直人氏
「マイクロバブルを使用したプロテインスキマーを兼ねたさまざまな用途に使用できるアイディアが素晴らしいと思います。もう少し価格が抑えれ、デザイン性を高めて頂ければないよいと感じます。」鶴田賢二氏
「新規性はあるが､設置、美観に一工夫要。」滋野実氏

「機能が良いが予定価格がイメージ以上、ちょっと水槽内がうるさくなりそうですね」一般審査員
「3way方式のコンセプトは素晴らしく良い製品だと思います。ただ、小型水槽ユーザーにはもう少し値段を抑えられると良いなと思います。」一般審査員
「3way方式で、小型でしかもパワフルな点それなのに詰まりにくい構造でメンテナンスがしやすい所がいいと思いました。」一般審査員
「エアレーションの技術革新が進む中、水質環境の改善や生態により良い環境づくりに一役買ってくれ、投げ込み式のオーバーフロー式のエアレーションであるため導入も容易で非常に可能性を感じました。」一般審査員
「機材は既存の設備にそのまま取付け使用が可能で、濾過能力の大幅改善とメンテナンス維持費が削減され流体力学に基づく設計により、低コスト、省電力、小型軽量化になっており水族館や稚魚養殖、展示いけすなど幅広い利用が考えられます。」一般審査員