GOOD AQUARIUM Design Award
2022 エントリー作品
07 精密凍結・活餌料 Natural Ecosystem Module
2022-07
プロダクト / 餌料
三陸エンリッチメント研究室
「環境機能を供給する」製品哲学から、「Natural Ecosystem Module」と命名しました
【作品概要】
Natural Ecosystem Moduleは難飼育種を水槽内で安定して飼育するため、全く新たな概念から生みだされた、精密凍結活餌料です。地元漁業者との連携によって採取する高鮮度な素材を原料に、丁寧な手仕事のもと、iPS細胞の凍結にも活用される精密凍結技術CASを活用することで、魚たちが本来の生息環境で出会う形状、組成「そのまま」を水槽内に供給可能です。製品コンセプトは、「何も足さない、何も引かない、素材そのまま、自然あるがまま」。解凍時間僅か約5分、手軽にご利用いただけます。「プランクトンシリーズ」、「魚卵シリーズ」、「ベントスシリーズ」の3製品群をラインナップしています。
【デザインが生まれた理由/背景】
物語のはじまりはアクアリストから寄せられた、「採取直後の高鮮度な『アミエビ』を譲って欲しい」という悲鳴にも近い懇願から。足かけ5年に及ぶ研究、実験がはじまりました。どれだけ餌の改良を重ねても、難飼育種の突然死が防げず、美しく生かすことができない。ユーザーの熱量に応えるために、漁獲方法から大幅に改善する、新たな生産動線も開発。安定した飼育に不可欠となる要素の分析も行い、アミエビから完全栄養の魚卵、そしてベントスに至るまで、多種多様な海産小動物を総当たりで飼育実験に用い、実証値を高めてきました。視点は餌の開発から水槽生態系の再構築へと遷り、これをサービスする三陸エンリッチメント研究室を組織。栄養素を重視してきた従前の餌料とは一線を画す、生体機能そのままを供給するNatural Ecosystem Moduleが誕生しました。
【企画開発者・デザイナーの思い】
種の保存が叫ばれる昨今、切り花の様に消費されてきた天然採捕による魚の調達は、今後より一層厳しさを増し、人為環境下での再生産が求められる時代に突入しています。人気の高い海水魚飼育を、今後もホビーや展示目的で持続的に用いるには、安定した飼育方法の確立や飼育下での性成熟、そして初期餌料の開発までが求められています。私たちは、これらを実現するため、地元漁業者や加工事業者、パートナーアクアリストとの協力体制を整え、携わる者たちの飽くなき探究心とそれを支える情熱をもとに、精密凍結技術CASを活用した新たなる餌料の開発を進めてまいります。これまでは、単なる栄養源の供給としてしか見られなかった「餌」が果たす本質的な役割を改めて問い、各種酵素や色素・腸内細菌叢の保全に努めた「餌が秘める本来の機能」を温存する、扱いやすく水を汚さない凍結餌料を市場に供給し、業界の活性化を目指してまいります。
作品名 | 精密凍結・活餌料 Natural Ecosystem Module |
事業者名 | 三陸エンリッチメント研究室 |
カテゴリー | プロダクト |
一般名称 | 餌料 |
飼育生体 | 熱帯魚・海水魚・その他の水棲生物 |
発売日 | 2021年3月31日 |
URL | https://sanrikuenrichment.com/ |
サイズ | W230×D135×H15〜 (mm) |
重量 | 50g〜500g |
販売価格 | 770円〜3,520円 |