GOOD AQUARIUM Design Award

2022

一般受賞

グッドアクアリウムデザイン賞2022 受賞

耐震水槽・ER68

株式会社スプリング

プロダクト / アクリル水槽

繋ぎ目の無いフランジはとても綺麗

【作品概要】
震度6でも漏れにくい水槽

【デザインが生まれた理由／背景】
アクリル水槽の形状は30年以上特に改良点が無かった。地震で水槽の水が溢れてても、仕方がない、水槽はそのようなものだという社会背景がある。住居の階下に迷惑をかけたり、漏れるのが怖いからアクアリウムを諦めるということを聞いていたが、この業界にいながら深くは追及していなかった。2018年にグッドアクアリウムデザイン賞を受賞したバーズアイ水槽の耐震試験をしている時、バーズアイ水槽は地震に強く、通常のアクリル水槽は何故地震に弱いのかということを構造的な違いを考え始め、少しだけ改良すれば耐震性を上げられる事に気づき開発を始めた。

【企画開発者・デザイナーの思い】
複雑な構造にすれば価格は上がってしまうので、なるべくシンプルな構造にすることでできる限り価格を抑えた。フランジのつなぎ目を無くすことにより美しくみせることもでき、尚且つしなやかに水圧を受け止め漏れにくく、水槽が割れにくい構造にした。揺れのテストを繰り返し安全性は確認したが、地震の揺れや様々な状況によっても結果は異なる。今回、「耐震水槽」を発表したことにより、地震と水槽に対する意識が変わっていければと思います。

【審査員コメント】
「地震大国にふさわしいアイデアだ。」舛添要一氏
「地震以外の良い点を加えると、普及の可能性が高まるのではないか。」松崎元氏
「震災を意識した商品で、アクアリストの不安をある程度軽減できる商品。」谷中政之氏
「大型水槽を持つアクアリストにとって最も怖い地震にたいする備えをカタチにした素晴らしい商品だと思います。震災がきっかけで大好きなアクアリウムを辞めてしまったという話もよく聞きます。この商品がそういった人たちが再びアクアリウムの世界に戻るきっかけになればいいなと思いました。」松端秀明氏
「考え方がシンプルなのに昨日は素晴らしい。90cm以下の水槽への対応が望まれる。」川田洋之助氏
「東日本大震災をはじめ、今後千島海溝、東南海地震、東京直下型など近いうちに起こるであろう大地震に対しての対策は、アクアリウムに於いても必要な用件と言える、阪神淡路地震では水槽のヒーター空焚きによる火災も多く見られ、その後メーカーの努力によって改善がほどこされてきた。水槽における水漏れ対策も必要なことがらで、このような水槽は重要なアイテムだと思う。」富澤直人氏
「地震大国である日本に住むアクアリストにとって地震は常に念頭にある不安材料。そこに着目し、開発しているメーカーとしての姿勢が素晴らしい。今後の研究開発にも頑張ってほしい。」鶴田賢二氏
「残念ながらこのタイプは海外では通常使われているタイプに感じます。いままで認知されていないのが不思議。」黒田誠
「水槽が持っていたコンプレックスを払拭してくれる一品。全体のディテールをもう少し強められるかも？海水の塩、淡水のコケ対策としても利用できそう。」一般審査員
「我が国にピッタリの製品だと思います。この手法が標準となり量産されることでコストダウンできると良いと思いました。」一般審査員
「時代のニーズに合った着眼。」一般審査員
「水槽は、アクリルの水槽でシンプルで継ぎ目を無くして美しく見せている。また、傷がつきにくく割れにくい水漏れ対策としている。しかしアクリル樹脂も水槽清掃や水草用土等で傷付くと考えられます。また、近年、地震が多く発生しているため、この様な水漏れ対策も必要と考えますが、製品価格が高く費用対効果に疑問があります。」一般審査員
「震度6まで耐えられる水槽は安心感あり。魅力的でした。」一般審査員
「大型水槽を地震の際、おさえて耐えた身としては、これはうれしい！」一般審査員